九江の「艾草糕」は、ほろ苦い春の味と、もちもちとした食感が楽しめるでしょうか？

九江市、江西省の雄大な山々に囲まれたこの街には、古くから受け継がれてきた豊かな食文化が存在します。その中でも、春を告げる風物詩ともいえるのが「艾草糕（アイソウガオ）」です。艾草糕は、艾葉（もぐさ）を練り込んだ緑色の蒸し菓子で、独特のほろ苦さと、もちもちとした食感が魅力です。

艾草糕の歴史と由来

艾草糕は、古くから中国の民間薬として用いられてきた艾葉を使用し、その効能を活かした伝統的なお菓子と言えます。艾葉には、血行促進効果や解熱作用などが期待されており、特に春先に多く見られる風邪や体調不良を防ぐために食べられてきました。

艾草糕が誕生した正確な時期や場所は定かではありませんが、明代（1368-1644年）の文献に艾草に関する記述が見られることから、少なくともそれ以前から艾葉を使った食品が存在していたと考えられます。九江市は、艾葉を栽培する産地としても有名であり、その風土と歴史が生み出した食文化が艾草糕には息づいています。

艾草糕の作り方と特徴

艾草糕は、艾葉を細かく刻んで粉末にし、米粉やもち米粉と混ぜて練り上げます。この工程で艾葉の独特の香り成分が米粉にしっかりと馴染み、緑色の美しい色合いを生み出します。練り上がった生地は、蒸籠に入れてじっくりと蒸し上げられ、もちもちとした食感に仕上がります。

艾草糕の味は、艾葉のほろ苦さと米粉の優しい甘さが絶妙なハーモニーを奏でます。その独特の味と食感が、春先にぴったりの爽やかさを演出します。

艾草糕は、シンプルながらも奥深い味わいを持ち、さまざまな食べ方を楽しむことができます。そのまま食べるのはもちろん、砂糖や蜂蜜をかけた甘味もまた格別です。

艾草糕の楽しみ方

艾草糕は、その独特な風味と食感から、様々な食べ方ができます。以下にいくつか例を挙げます。

• そのまま楽しむ: 艾草糕本来のほろ苦さともちもちとした食感を味わうことができます。
• 砂糖や蜂蜜をかける: 甘味を加えることで、より食べやすく、春らしい爽やかさを楽しめます。
• 温かいお茶と一緒に: 緑茶やジャスミンティーなど、温かいお茶と合わせると、艾草糕の風味を引き立てます。
• デザートとして: アイスクリームやフルーツなどを添えて、デザートとして楽しむこともできます。

艾草糕は、九江市を訪れる際にはぜひ味わいたい伝統的なお菓子です。そのほろ苦さともちもちとした食感が、春の訪れを感じさせてくれます。